革のお手入れは「スキンケア」のように楽しみたい。レザーソムリエが教える4ステップのケア方法

難波寛彦

長く愛用することができる皮革製品ですが、欠かすことができないのが適切なお手入れ。定期的にお手入れをしない場合、人の肌のように乾燥したりしてしまうといいます。そこで、皮革素材に関するプロフェッショナル、レザーソムリエ資格保有の土屋鞄スタッフのアドバイスとともに、スキンケアのような革のお手入れ方法をご紹介します。

使い込むうちに味が出て、独特の経年変化(エイジング)を楽しむことができる皮革製品。長く愛用することができる製品ですが、バッグやお財布など日常的に使用するものの場合、適切なお手入れも欠かせません。

とはいえ、「具体的にどんなことをしたらいい?」「そもそもお手入れって必要なの?」と思われている人も多いのではないでしょうか?

皮革素材に関するプロフェッショナル、レザーソムリエ資格保有の土屋鞄スタッフによると、皮革製品のお手入れは人の肌における「スキンケア」のようなもの。定期的なお手入れをしない場合、人間の皮膚と同じように表面がゴワついたり、乾燥してひび割れを起こしてしまったりするといいます。

そこで今回は、土屋鞄が販売している「レザーメンテナンスキット」を使用し、知っておきたい皮革製品の基本的なお手入れについてご紹介。レザーソムリエ資格保有スタッフによる実演・アドバイスとともに、肌を労わるスキンケアのような革のお手入れ方法をお届けします。

皮革製品のお手入れに必要なもの

今回使用するのは、基本のケアアイテムを専用ポーチに詰め込んだ「レザーメンテナンスキット」。レザーソープにクリーム、防水スプレー、そしてオリジナルの特製ケアグッズ3点(大・小ケアブラシ、クロス)がセットになっているので、これひとつでさまざまな皮革製品のケアを行うことができます。

レザーメンテナンスキット ¥13,200

皮革製品の基本的なお手入れのステップは、①ブラッシング、②汚れ落とし、③保湿、④仕上げの4つ。これに加え、お好みで防水スプレーなどの+αのケアを行います。

①ブラッシング

Hirohiko Namba / OTEMOTO

まずはブラッシングです。ケアブラシを左右に素早く動かしながら、表面についたホコリや皮脂などを落としていきます。

この際、表面にブラシの毛が垂直に当たるようにすると、ブラシの面全体を使って効率的にブラッシングを行うことができます。

Hirohiko Namba / OTEMOTO

財布などの小物の場合は、小さいタイプのブラシを使ったケアが効果的。狭い隙間などにも毛を当てることができるため、細かな部分のブラッシングにも活用してみてください。

②汚れ落とし

Hirohiko Namba / OTEMOTO

次に、レザーソープを使った汚れ落とし。このステップは、スキンケアにおけるクレンジングのようなイメージです。

クロスに適量とったレザーソープを全体になじませ、こびりついた汚れなどを拭き取るように落としていきます。

乾いた革の表面にレザーソープを塗布すると、一時的にシミのような状態になることがあります。しかし、しばらくすると乾いて元に戻るため、心配はご無用とのこと。

レザーソープには汚れを落とすだけではなく革を引き締める効果もあるため、この時点でもスムーズな触り心地を実感することができます。

③保湿

Hirohiko Namba / OTEMOTO

レザーソープによる”クレンジング”のあとは、要のステップとなる保湿。このステップは、化粧水や乳液など、スキンケアと同じ保湿のイメージです。

クロスにとったクリームを、四隅から表面へとなじませていきます。

レザーソムリエによると、折れ曲がっている角の部分は革の組織が伸びたり擦れたりすることが多く、特に乾燥しやすいため、そこからなじませるのがおすすめとのこと。

最初に塗布しておくことで、全体を塗り終えた後にそこの潤いが足りていないと感じたら、クリームを再度塗ってしっかりなじませることができます。

④仕上げ

Hirohiko Namba / OTEMOTO

4ステップの最後となるのが、ブラッシングで使用したブラシやクロスを使った仕上げ。保湿した革から余分なクリームなどを取り除きつつ、革に刺激を与えながらツヤが出るように磨いていきます。

ポイントとなるのは、革と革のつなぎ目やステッチ部分などの隙間のケア。この部分にはクリームが溜まってしまうことが多いため、ブラシを使って掻き出しながら全体になじませましょう。

Hirohiko Namba / OTEMOTO

最後に、クロスを使い揉み込むように磨き、全体にツヤが出てきたら終了です。

+αケア

上記の4ステップで基本的なケアは終了ですが、屋外で使用することが多いものなどは、防水スプレーを使い+αのケアも行いましょう。

Hirohiko Namba / OTEMOTO

防水スプレーによるケアは、30cmほど離して全体にスプレーし、乾いたら乾拭きをするだけ。革は水分の付着に弱いため、雨に濡れたり、コーヒーをこぼしてしまったりすると、輪ジミや水ぶくれのような状態になることも。不測のアクシデントによる劣化を未然に防ぐためにも、水分を弾く防水スプレーのケアが効果的なのです。

また、スプレーする際は、必ず通気性のいい屋外で行いましょう。吸い込むと人体に悪影響を与えてしまう可能性もあるため、防水スプレーを使用する場所には注意が必要です。

Hirohiko Namba / OTEMOTO

「お手入れ」と聞くと手間がかかりそうで億劫になってしまいがちですが、実はその方法はとてもシンプル。毎日のスキンケアと同じように、革を慈しむようにお手入れをする時間は、長くものを愛するという豊かなくらしにもつながります。

お手持ちのバッグやお財布、カードケースなど、次の休日には愛用品たちを労わるお手入れを楽しんでみませんか。

著者
難波寛彦
秋田県出身。玉川大学卒業後、外資系アパレル企業を経てファッション誌のウェブ版の編集に携わる。Harper's BAZAAR Japan digital編集部在籍時には、アート・カルチャー、ダイバーシティ、サステナビリティに関する企画を担当。2023年7月ハリズリー入社。最近の関心ごとは、学校教育、地方創生。
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