学校を休んで家族旅行、小学校の先生はどう思ってる?連絡帳には「風邪」「家庭の事情」

小林明子

2024年のゴールデンウィークは、3日間の平日をはさむ「飛び石連休」となっています。職場の休日がカレンダー通りの大人は有給休暇を使えば10連休が実現しますが、こどもたちの学校は通常授業のところがほとんど。学校を休ませて家族旅行はあり?なし? 小学生の保護者と先生にそれぞれ聞きました。

家族旅行のために学校を休ませるのはあり?OTEMOTO編集部がアンケートで聞いたところ、保護者の間では意見がわかれました。

家族旅行
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休ませる派

夫婦ともに自営業だから。本人も同行を望んだ場合には子連れ出張したりもしている」(30代母親 / 2年生男子 / 岐阜県)

家族との楽しい思い出が優先。勉強はいつでも教えられる」(30代母親 / 1年生女子 / 岐阜県)

「中学の振替休日に、小学生の妹を休ませたことはある。1日くらいなら許容範囲」(40代母親 / 2年生女子 / 東京都)

「こどもにとって貴重な体験になるなら、あり。ただ授業の進み具合もあるので、最大でも1〜2日程度かな」 (40代父親 / 3年生男子 / 東京都)

「なるべくなら避けたいけれど、大型連休がこどもより親のほうが長かった場合は休ませるかも」(40代母親 / 1年生女子 / 静岡県)

「たまにならあり。夫が土日休みでないこと、平日なら混んでおらずツアーも安い。学校の勉強の早さが気にならない低学年のうちは多めにいきたいと思っています。体験、経験値を高める日と割り切っています」(30代母親 / 2年生女子 / 大阪府)

「1日休ませて旅行に行きました。けっこう悩みましたが『下の子の就学前に!』とずっと前から決めていたので。2月半ばだったので、授業がそんなに急速に進む時期じゃないことなどは考えました」(40代母親 / 4年生女子 / 大阪府)

「平日の空いているときに行くメリットが大きい場合もある。その際は、こどもにもしっかり説明すると思う(少し授業に遅れるから、そのぶん自分で学習する必要があるなど)」(30代母親 / 1年生男子 / 千葉県)

休ませない派

「慶弔以外は基本的には学校を優先させるべきだと両親とも考えている」(40代母親 / 3年生男子 / 東京都)

「お休みがこどもと合わなかったら、夏休みや春休みに考えてもいいのでは。それに、こどもが周囲から何か悪く言われないかと思ってしまう」(50代母親 / 高校生以上女子  / 群馬県)

「父親は平日休みだが、基本的には学校を休ませての旅行はなし。長期休暇中の平日などを利用する。普段は土日など母親だけでこども2人を旅行に連れて行っており、そのほうが予定を立てやすい」(40代母親 / 4年生女子 / 大阪府)

結局、旅行できない...

「まだ低学年なので1日くらい休んでもいいかなと思っていますが、本人が絶対休みたくない派なので、実際に休んで連れて行ったことはありません」(30代母親 / 2年生女子 / 東京都)

学校がマストだと思うと苦しくなるときが来るかもしれないし、学校でできない体験もあるので、『たまには休んでどっか行こうよ~』と冗談めかして誘ったりしますが、子どもは今のところ絶対休みたがりません...」(40代母親 / 6年生女子 / 東京都)

夫とこどもたち全員の予定を組むことが難しく、結局は夏休みや冬休みのような一般的な休暇のタイミングで旅行することになります」(30代母親 / 2年生女子 / 東京都)

「ありと思うようになりつつあります。低学年のときはビビってできなかった...」(40代母親 / 4年生女子 / 神奈川県)

「旅行かな」とピンとくる

家族旅行のために学校を休ませることを、小学校の先生はどう考えているのでしょうか。東京都内の公立小学校で15年以上の経験がある男性教員Aさんに聞きました。

親の働き方の多様化によって、家族旅行のために学校を休むこどもは少しずつ増えている、とAさん。休み方のパターンは3通りあるといいます。

① 「風邪で」などと仮病を使うパターン

② 「ちょっと家庭の事情で」と濁すパターン

③ 「旅行する」と正直に伝えるパターン

①や②の場合でも、飛び石連休の合間の平日だったりすると「旅行かな」とピンとくるそう。親が口止めしていても、こどもが口を滑らせたり友達同士で話したりすることもあるので、先生にはバレていると思っておいたほうがよさそうです。

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こどもに嘘をつかせないで

受け止め方は「教員によってさまざま」としたうえで、Aさんの場合は「気にならない」と言います。

「家庭でじっくり考えたうえでの判断でしょう。家族旅行で休んだ子に聞くと、『お父さんが急にこの日だけ休めることになったから』など、その家庭なりの事情があります。いち教師が、休んじゃダメだという権利はないと思います」

それよりも先生が気にするのは「欠席後のカバー」。欠席の理由が何であっても同じで、授業の遅れと、行事の前に急に欠席した場合の対応です。

「『休んだぶんは放課後に補習をしてください』と当たり前のように言ってくる保護者もいます。放課後はすぐ教職員会議がありますから、時間をとりづらい。給食の残り時間などで対応したりもしますが、できれば家庭でみてほしいですね」

「運動会、音楽会、学習発表会などの準備を進めているときの欠席は、早めにわかると対処できますが、全体リハーサル当日に主役級の子に休まれると、担任が代役をしたり組体操の下段に入ったりします」

つまりAさんは、「欠席の理由が何であれ、正しい情報を早めに教えてほしい」と話します。

「何かあって連絡がとれないと心配ですし、飛行機が遅延したりして帰ってこられなくなったとき、嘘に嘘を重ねるようなことはしてほしくないんです。こどもにも嘘をつかせたくはなく、旅行で何が楽しかったか話してもらいたい。その子の経験を共有したいです」

教員は休めない

アンケートに回答したある父親は、妻が小学校の教員をしているといいます。

「担任を持っている妻は有休が極めて取りづらい状況。なのでうちは平日に旅行に行くことはできません」(30代父親 / 1年生男子 / 神奈川県)

それぞれの家庭のルールはありつつも、ほかの家庭のルールについては「気にならない」という声も多く見られました。

「教育基本法で親は子に教育を受けさせる義務があるので、平日は登校させることにしています。私たち夫婦は土日休みなのでそうしていますが、土日が仕事の人もいるので、他の家庭がこどもを休ませて旅行に行っても問題だとは思いません」(40代母親 / 4年生女子 / 奈良県)

クラスでも旅行でお休みの子は多いです。休んだことはないけれど、全然ありだと思います」(40代母親 / 4年生女子 / 東京都)

「土日に休めない仕事の場合もありますし、ひと昔前より学校の理解も進んできたと思います」(40代母親 / 2年生男子 / 長崎県)

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※ ネウボラ = フィンランド語で「アドバイスの場」という意味。妊娠期から子育て期まで切れ目のないサポートを提供する自治体が日本でも増えています。
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新学期は、学校生活で心配なことが増えたり、さまざまな家庭の子育てに触れる機会が訪れたりする時期。OTEMOTOでは、親子サポートプロジェクト「6歳からのneuvola(ネウボラ」をスタート。保護者が悩みがちなテーマについて、"先輩"や"同期"にあたる保護者たちのリアルな声を紹介します。

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著者
小林明子
OTEMOTO創刊編集長 / 元BuzzFeed Japan編集長。新聞、週刊誌の記者を経て、BuzzFeedでダイバーシティやサステナビリティの特集を実施。社会課題とビジネスの接点に関心をもち、2022年4月ハリズリー入社。子育て、教育、ジェンダーを主に取材。
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