【チェックリスト】家族みんなで生き残るために、備えておきたい防災グッズ

小林明子

9月1日は「防災の日」。もしもの時に備えて、非常用持ち出し袋の準備はできていますか? 赤ちゃんや子どもと避難するときに、あると便利なものや、ないと困るものもあります。年に一度、家族で一緒に点検してみませんか。

【関連記事】「この子、いつもと違う」災害時のために知っておきたい、子どもの反応と対処法

子どもの支援活動をおこなう国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」は「子どもにやさしい非常用持ち出し袋」のチェックリストを公開しています。サイトからは日本語版のほか、英語版、中国語版、ポルトガル語版もダウンロードできます。

save the children
出典:Save the Children 「子どもにやさしい非常用持ち出し袋チェックリスト

ほとんどは一般的な防災用品ですが、「口腔ケア(はみがきセット)」「ウェットティッシュや除菌ジェル」「マスク」など、子どもを感染症などから守るためにあったほうがよいものもあります。

子どもの好きなものを

「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」で精神保健・心理社会的支援エキスパートをつとめる赤坂美幸さんによると、災害などの危機的な状況に直面した子どもは、大きなストレスにさらされます。

「まず、水や食料、衣服、住まいなど、基本的な衣食住を確保することが大切です。安心安全な居場所が確保されると、子どもはゆっくり自分のペースを取り戻し、回復していきます」

生活空間が大きく変わったとしても 、できる限り子どもの日課や習慣を保ち続けることが大切だそう。お気に入りの毛布やぬいぐるみなど「子どもが安心できる大切なもの」もリストには含まれています。

また、普段のように遊んだり学んだり休んだりすることも子どもの安心につながるので、「本やカードゲーム」など、避難生活の中でも遊べるものもあるとよさそうです。

子ども用リュックに親の写真

内閣府防災情報のサイトにある「あかちゃんとママを守る防災ノート」には、妊娠中や産後の女性、乳幼児がいる家庭に向けた情報がまとまっています。もちろん父親も知っておくべき内容です。

出典:内閣府防災情報「あかちゃんとママを守る防災ノート

母子手帳や健康保険証は常に携帯し、大切なページはクラウドに保存しておくことを勧めています。母子手帳には予防接種の履歴など、子どもの成長に必要な記録が詰まっているからです。

おむつ、おしり拭き、授乳用ケープ、ミルクセットなど基本的な育児用品はもちろん、「スプーン、紙コップ、キッチン用ラップ」など、いざというときに代用できるものもあるとよさそうです。

幼児の場合は、子ども用リュックの中に家族の写真や連絡手段、あらかじめ決めた待ち合わせ場所などを記した「パーソナルカード」を入れておくと、万一はぐれたときの手がかりになります。けがを防ぐため、抱っこして避難した場合でも靴は持っていきます。

ふだんの薬を忘れずに

首相官邸は「子どもがいる家庭の備え」に加え、「女性の備え」「高齢者がいる家庭の備え」をまとめています。

首相官邸
出典:首相官邸「災害の『備え』チェックリスト」

高齢者がいる家庭には、大人用紙パンツや介護食、持病の薬やお薬手帳のコピーなどの備えを勧めています。

自宅には何があればいい?

耐震性があり倒壊する可能性が低い建物の場合には、避難せずに自宅にとどまるほうが安全な場合もあります。

自宅に備蓄しておくものの目安は「水と食料は、最低でも3日分、できれば1週間分」とされています。

農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」によると、飲料水と調理に使う水を合わせて、1人につき1日3リットル程度ということです。4人家族であれば2リットルペットボトル18本で3日分ということになります。

農林水産省
出典:農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド

また、ティッシュやトイレットペーパー、食品用ラップ、ごみ袋などの生活用品も、日ごろから多めにストックしておくと安心です。

親子で防災
缶詰や加工食品は、日常生活で使った分だけ買い足す「ローリングストック」が推奨されています
Adobe Stock / yamasan

連絡がつかない時は「171」

災害用伝言ダイヤル(171)、災害用伝言板(web171)は、被災地で携帯電話やインターネットがつながりにくくなったとき、被災地にいる人の安否確認ができる伝言板です。伝言を登録したり確認したりするときに入力する「電話番号」を、家族や親戚、友人の間であらかじめ共有しておく必要があります。

【関連記事】「この子、いつもと違う」災害時のために知っておきたい、子どもの反応と対処法


著者
小林明子
OTEMOTO創刊編集長 / 元BuzzFeed Japan編集長。新聞、週刊誌の記者を経て、BuzzFeedでダイバーシティやサステナビリティの特集を実施。社会課題とビジネスの接点に関心をもち、2022年4月ハリズリー入社。子育て、教育、ジェンダーを主に取材。
SHARE